【ゲノム内科学】
遺伝子情報操作
狙った臓器だけの遺伝子異常を書き換えるツールの開発
高山和雄先生
京都大学
iPS細胞研究所
ファーブル昆虫記
ジャン・アンリ・ファーブル(岩波文庫)
一つのことに打ち込む面白さを感じることができる作品だと思います。じっくり観察、考察することによって、見えてくる昆虫の賢さ・愚かさがたくさんあることを教えてくれます。小学生からでも読める作品ですので、興味がある方はどうぞ。
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狙った臓器だけの遺伝子異常を書き換えるツールの開発
ピンポイントで遺伝子情報を書き換えるのは難しい
2012年に誕生したCRISPR-Cas9システムは、簡単に遺伝子情報を書き換えることができる、優れた技術です。このシステムを用いれば、遺伝性疾患の原因となる遺伝子の異常も、情報を書き換えて簡単に治せるのではないかと期待されています。
しかしながら、CRISPR-Cas9システムは空間分解能が十分ではありません。つまり、狙った場所(例えば臓器)でだけ、遺伝子情報を操作することが難しいのです。
光を当てた臓器だけ、システム作動
そこで私たちは、CRISPR-Cas9システムに光感受性を持たせることで、狙った臓器だけで遺伝子情報を操作する技術の開発に挑みました。この技術が開発できれば、光を当てた臓器だけでCRISPR-Cas9システムを作動させることができます。
私たちはこれまでに、光感受性を付与するために、cryptochrome 2と呼ばれる植物由来の蛋白質を用いて、光に反応して作動するCRISPR-Cas9システムを開発しました。このシステムを用いることにより、光を当てた臓器だけで、遺伝子の異常が治せる可能性があることを示すデータを得ました。
私たちの研究がさらに発展することで、病気の原因となっている臓器に光を当てるだけで治療できる時代が到来すると信じて、いまも日々研究に邁進しています。
細胞を培養する実験室にて、安全キャビネットで操作している様子
◆大学時代
授業で取り扱う難しい専門書の要約を作成していました。特定の研究内容を深く理解し、自分なりに咀嚼して、多くの人が理解できるように簡潔に要約するという作業で身についたスキルは、研究者になった今でもとても重要なものだと思います。
専門書などの要約は、一見誰の役にも立たない無駄な作業に思えるかもしれませんが、作成過程で得た能力は、きっとその後の社会生活で役立つと思います。
◆出身高校は?
兵庫県立兵庫高校
Karl Deisseroth
スタンフォード大学
光遺伝学、脳の透明化技術などを開発し、生命科学研究へ応用しています。独創的なアイデアとそれを実現する力があります。
国際学会のため訪れたオーストラリアにて
京都大学のiPS細胞研究所は、iPS細胞の再生医療や創薬応用に特化した研究所です。他の大学にはない、iPS細胞の研究に没頭できる環境が整っています。様々な実験試料や実験機器だけでなく、iPS細胞研究のトップランナーが集まり、iPS細胞研究をするには最も魅力的な場所だと確信しています。
Q1.日本以外の国で暮らすとしたらどこ?
米国。研究するのであれば米国の環境が理想的だと感じるから。
Q2.一番聴いている音楽アーティストは?
ONE OK ROCK。「The Beginning」がお気に入り。
Q3.感動した映画は?印象に残っている映画は?
『ゴースト/ニューヨークの幻』
Q4.熱中したゲームは?
ファイナルファンタジーIV
Q5.会ってみたい有名人は?
宇宙人