【電子・電気材料工学】
エネルギー材料
光や体温で動く情報端末やセンサに向け、低熱負荷で材料開発
都甲薫先生
筑波大学
理工学群 応用理工学類 電子量子工学主専攻(数理物質科学研究科 電子・物理工学専攻)
ベイマックス(映画)
ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ
大学のラボのメンバー(学生)が、各々の研究を活かしたユニークな特技で悪者(教授)を倒すという、エキサイティングな内容です。ものづくり系の研究室なのですが、未来的なラボの風景にワクワクするほか、ラボメンバーの一人が「Science, year!」と叫んでいるシーンなどは科学者のマインドそのものだと思います(笑)。
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光や体温で動く情報端末やセンサに向け、低熱負荷で材料開発
エネルギーの転換期は研究者の腕の振るいどころ
現在、私たちの生活は化石エネルギーに依存していますが、地球温暖化や資源枯渇の問題に直面しています。人類が滅びないためには、化石燃料を使わない新しいエネルギー技術をスタンダードにすることが必須です。
今世紀はまさにその転換期であり、人類最大のチャレンジとも言われています。研究者の腕の振るいどころが明確にある、珍しい時代かもしれません。
「材料」はエネルギー研究の根幹
エネルギー研究は「創」「省」「蓄」の3つの分野に分けることができますが、それらの根幹を成しているのは、各々の機能を持った「材料」です。
材料開発に携わる研究者は、「どの材料を、どう作るか?」という問いのもと、自然科学を相手に日々たわむれています。
一般に、これらの材料を作る(つまり原子を動かす)には高い温度を必要としますが、私は「原子の気持ち」になりきることで(?)、材料薄膜を低い温度で作るユニークな技術を開発してきました。
端末やセンサの電源技術
これらの技術を利用して、軽くてフレキシブルなプラスチックを基材としたエネルギー・デバイスの開発に取り組んでいます。光や体温で動くウェアラブルな情報端末や、どこにでも設置できるセンサなど、身近なところで活躍できる技術です。
化石エネルギーに頼ることなく、より安心・安全な社会の実現や持続的な経済成長に貢献できれば良いなと考えています。
高校生サマースクールの様子。後ろは半導体成膜装置
◆テーマとこう出会った
熱を電気に変える「熱電変換シート」の研究を始めたきっかけは、JSTさきがけ研究の公募になります。「微小エネルギーを利用した環境発電技術」に関連した提案が求められていたのですが、それまでに研究してきた太陽電池の技術を熱電変換に応用することを着想し、うまくハマりました。
これはすごく良い経験になり、何かユニークな技術を持っていれば、いろいろな分野で活かせる可能性があると肌で感じました。最近では、同技術をフレキシブルなリチウムイオン電池に応用する研究も行っています。
アメリカで招待講演を行っている様子
研究室対抗フットサル大会にて。優勝しました!
始めるのに遅すぎることなんかない!
中島薫(サンマーク文庫)
いつからでも新しいことを始める勇気を持とう!というありきたりな内容ではなく、著者独特のポジティブな思考法が様々な側面から紹介されています。高校生の頃に感銘を受け、今でもたまに読み返す本です。「ポジティブさ」は、特に研究には欠かせない要素だと思います。
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理系のための研究生活ガイド テーマの選び方から留学の手続きまで
坪田一男(ブルーバックス)
研究者になるためには、研究者としてやっていくには、といったノウハウが紹介されています。研究生活(特にアカデミア)の具体的なイメージがわきます。あわせて同著者の「理系のための人生設計ガイド」もおススメです。
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君たちに伝えたい3つのこと 仕事と人生について 科学者からのメッセージ
中山敬一(ダイヤモンド社)
タイトルからは想像できませんが、こちらも研究者という仕事のノウハウが詰め込まれた本です。また、1度きりの人生を賭けるならクリエイター(研究職)に!という著者の熱い気持ちに勇気づけられました。
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