Q1.日本以外の国で暮らすとしたらどこ?
【環境政策・環境社会システム】
森林の価値
途上国の森林保全が農業の生産を高め、貧困対策に
山本裕基先生
長崎大学
環境科学部 環境科学科(水産・環境科学総合研究科 環境科学領域)
データ分析の力 因果関係に迫る思考法
伊藤公一朗(光文社新書)
○○と××の関係は本当に因果関係なのか、相関関係と因果関係との違いは何か、といった周りにあふれている関係性を、しっかり科学的に考えられるようになる本。
途上国の森林保全が農業の生産を高め、貧困対策に
熱帯地域で進む森林伐採
「森林や生態系は重要である」と主張しても森林はあまり保全されません。
これまでに、森林が固定している炭素量をお金に換算したりする制度(Reducing Emissions from Deforestation and Degradation)が検討されたりしてきましたが、今日でもアフリカや熱帯地域を中心として森林伐採は進んでいます。
森林生態系は農業生産の役に立つ
森林や生態系には、炭素固定以外の様々な役割があります。
例えば、「森林を住処にするトリが農業害虫を食べてくれるから、森林生態系は周辺の農業生産の役に立っている」という話を聞きました。
森林生態系がトリと害虫の関係を通じて、どれくらい農業生産を高めているのかが知りたくなりました。また、その価値は、森林を保全することの経済的価値として把握しないといけないと考えました。
インドネシアで農業と森林の関係を調査
そこで、私たちは急速に森林減少が進んでいるインドネシアにおいて、農業生産と森林生態系の関係を調べています。農業生産や害虫の把握のために現地調査を行ったり、森林の状態を知るために衛星データを解析したりします。
それぞれの得られた情報を組み合わせると、森林が保全されている地域では、農業生産性が高い傾向があることがわかってきました。
農業は現地の人たちの生活にとって非常に重要であり、森林が保全されることで貧困問題の解決にもつながるかもしれません。
私たちは、炭素固定だけではなく、森林生態系がもたらす価値をしっかりと経済的価値に換算することで、森林保全を進められると考えています。
長崎大学環境科学部は文理融合学部であり、双方の視点から社会問題にアプローチできます。特に環境問題の解決には、文理両方の視点から考えることが不可欠です。それぞれの専門家の考えを取り入れられるのが強みです。
Q1.日本以外の国で暮らすとしたらどこ?
イギリス。マンチェスター・ユナイテッドがあるから。
Q2.一番聴いている音楽アーティストは?
あいみょん。特に『君はロックを聴かない』。
Q3.熱中したゲームは?
『実況パワフルプロ野球』
Q4.大学時代の部活・サークルは?
フットサル
Q5.研究以外で楽しいことは?
子どもと過ごす週末