Q1.18歳に戻って大学に入るなら何を学ぶ?
医学
【臨床心理学】
発達障害
自閉スペクトラム症の診断は自己理解と支援の第一歩
大島郁葉先生
千葉大学
子どものこころの発達教育研究センター
(大阪大学大学院 連合小児発達学研究科 小児発達学専攻)
自閉スペクトラム症の診断は自己理解と支援の第一歩
コミュニケーションが苦手で、こだわりが強い
自閉スペクトラム症(ASD)という病気を知っているでしょうか?ASDは、対人コミュニケーションの難しさとこだわりの多さを中心とした特徴をもつ、発達障害のひとつです。人口の1-5%くらいの人が生まれつき持っていて、生涯保有します。
周囲が気づく場合と、自分で違和感を持つ場合が
ASDを持つ人は、小さいころに周囲のおとなが気づいて診断されるケースもありますが、一定数のASDの人は、思春期以降に生活の中で「自分は人と、興味の持ち方や人づきあいの仕方が違うな」と、違和感に気づき、そこからASDがあったということに、気づく場合もあります。
ASDへの偏見が、医学的診断を遠ざけている
ASDの人は、自分のASDの特徴を理解し、ASDの特性に対して工夫をしたり、配慮を周りからもらったりすることで、通常の人と同じような生活を送ることが充分に可能です。そのためには、「ASDである」ということを診断される必要があります。
しかし、多くの人は診断されること自体を嫌います。それは、ASDに対するスティグマ(悪い偏見)があるからです。ASDは周囲の人から「わがまま」「冷たい」と誤解されやすいため、診断を怖がる人が多いのです。
私は、ASDの診断は、その人が幸せになるための1つの大事なステップだと思ってます。この考えをもとに、現在まで、診断の受け入れとASDの工夫を身につけるプログラムを開発し、その効果を検証しています。
◆ゼミの初回に
自閉スペクトラム症の「社会的カモフラージュ行動」について話します。社会的カモフラージュ行動とは、自分が「普通の人」に見えるように、周りの人の振る舞いをまねることです。大島ゼミでは。この「社会的カモフラージュ行動」を研究しています。
◆大島先生のページ(科研リンク)
先生の著書『事例でわかる 思春期・おとなの自閉スペクトラム症 当事者・家族の自己理解ガイド』(2019年・金剛出版)
◆主な職種
医療職(臨床心理士)
現在、大阪大学を中心とした、千葉、浜松、福井、金沢の5大学の連合大学院の小児発達学研究科に在籍しています。博士課程しかない大学院なのですが、社会人の方を多く受け入れていることが特徴です。また、小児発達が専門であることと、医学部が中心の研究科ですので、基礎と臨床の両方から、発達障害の研究をしている人が多くいます。
Q1.18歳に戻って大学に入るなら何を学ぶ?
医学
Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ?
アメリカ。留学したい大学があるため。
Q3.大学時代の部活・サークルは?
映画サークル
Q4.大学時代のアルバイトでユニークだったものは?
市場調査のアンケートの処理を行っていました。