Q1.日本以外の国で暮らすとしたらどこ?
アメリカ合衆国。アメリカのジョージア大学で在外研究を行った経験から、さらに、長期間にわたり生活をしてみたいと思うから。
【食生活学】
食育
幼児が食べたい!と思えるような食育ガイドをつくる
瀬尾知子先生
秋田大学
教育文化学部 学校教育課程(こども発達・特別支援講座)
おかあさんになったアイ チンバンジーの親子と文化
松沢哲郎(講談社学術文庫)
この本は、チンパンジーの親子関係や教育、文化について書かれています。私たちの「進化の隣人」チンパンジーの知識や技術の獲得と、伝播の過程について書かれたこの本を通して、人が生まれてから、その文化に適応した振る舞い方をどのように習得するのか、考えさせられます。子育てや教育について多くのことを学ぶことができます。
幼児が食べたい!と思えるような食育ガイドをつくる
心の健康にも食事は大事
皆さんは、「食育」という言葉を聞いたことがありますか。食育という言葉自体は、明治期にすでに使われていましたが、人々の体の健康だけでなく、心の健康にも食事が大切だということを人々が認識し始めたのは、つい最近のように思います。
私たちが、どんなに、健康に良い食事を整えても、栄養に配慮をしても、「食べてみよう」という気持ちにならなければ、食べるという行動には至りません。例えて言うならば、どんなに勉強をする環境が整っていても、本人が勉強をしようという気持ちにならなければ勉強しないのと同じように、人の食行動には心理的側面が大きな影響を与えます。
家族で食べるより一人の方が気楽?
現在、家族団らんの食事、楽しく食べることが強調されています。しかし、私が以前実施した調査では、「家族で食べると、お母さんがガミガミうるさいから一人がいい」「一人の方が気楽」等、家族で一緒に食べることを楽しいと感じていない幼児が、少なからずいることが明らかになりました。
人々の暮らしが多様化する中で、単に家族団らんの食事を求めるだけではなく、子どもにとって、どのような食環境や社会環境を整えていったらいいのかを考えることが重要です。そして、子どもの発達と生活の実情に即した食育ガイドを開発し、心理的側面から提言をしたいと考えています。
この研究が、幼少期から心身ともに健康な国民の育成に、ひいては、世界の子どもたちの心身の健康増進に寄与できることを期待して研究をしています。
アメリカ・ジョージア大学 McPhaul Centerでの食事場面の観察調査
(preschoolの子どもたち(3,4歳児)のランチタイムの様子)
生涯を通じて健全な食生活を実践し、健康で心豊かな暮らしを営むためには、身体の栄養や健康のみならず、心のくつろぎにつながる食環境や、人々との関わりといった心理的側面を充実する必要があると思います。
現在、子どもの食の問題として取り上げられている孤食や貧困の一側面である食に関して、心理的側面から考えることが、人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する一助となると考えています。
◆先生が心がけていることは?
マイバッグを持ち歩くことと、募金。
外山紀子
早稲田大学 人間科学部 人間環境科学科/人間科学研究科 人間科学専攻 人間行動・環境科学研究領域
【子どもの食行動】緻密な研究により、子どもの食行動について明らかにしている点を素晴らしいと思います。
◆卒論ゼミで学生に伝えること
卒業研究では、最初に「おやっ」「なぜ」と思ったことを大切にしてほしい。そして、世の中には、まだわからないことがたくさんありますが、何がわかっていないかをはっきりさせることができれば、もうそれは立派な研究のスタートです。まだまだわからないことが多い子どもの世界を一緒に考えてみませんか、と話しています。
瀬尾研究室で卒業研究を行っている学部3,4年生とともに
ジョージア大学在外研究中、Tobin教授の自宅にて
◆主な業種
(1) 保育・幼稚園等
(2) 小・中学校、高等学校、専修学校・各種学校等
(3) 官庁、自治体、公的法人、国際機関等
◆主な職種
(1) 幼稚園、保育士等
(2) 小学校教員
◆学んだことはどう生きる?
研究室では、主に「子どもの貧困と子ども食堂」「園で楽しく食べること」「夫婦関係」といった、子どもの食や夫婦関係、家族に関して、様々な視点や研究方法を用いて研究を進めています。学生は卒業研究を進める中で得た、知識やスキルを活かして、子どもと子どもを取り巻く環境から子どもについての理解を深め、子どもを支援する専門職(保育者、教師)として活躍しています。
教育文化学部「こども発達コース」は、幼児教育・保育と学校教育の全学科を見通して、幅広く教育の意義や子どもの発達について省察できる人材を育成するコースとなっています。東北では、秋田大学と福島大学のみが、幼稚園・小学校の教員免許と併せて保育士資格を取得でき、多くの学生が、それぞれの興味に応じて、幼保小連携、子ども理解、教育方法、教育制度、教育哲学等、多角的に学んでいます。
幼稚園教諭、保育士を目指す学生が履修する授業「保育の内容と方法(環境)」での一コマ
ヘレン・ケラーはどう教育されたか サリバン先生の記録
アン・サリバン、訳:槇恭子(明治図書出版)
ヘレン・ケラーが、サリバン先生からどのような教育を受け、どのように言語を獲得し、人間らしい思考力と行動を身につけていったのかが書かれた本です。教育に大切なことは何かについて、考えさせられる本となっています。
そして、人に何かものを教える時、信頼関係を築くことがいかに大切かを、この本は教えてくれるように思います。教育に関わる仕事に携わりたいと考えている人には、ぜひ読んでほしい本です。
テレビ番組「しまじろうのわお!」うた「かなピーマン」(YouTube)
ピーマンが嫌いな子どもに対して、ピーマンが軽快な音楽に乗って自分の気持ちを伝える、幼児向け番組の歌です。食べるという営みには、いかに人の気持ちが関係しているのかが、端的に表現されています。
そして、最後の歌詞「君が心をひらくまで、気長にまってる、かなピーマン」は、人の食行動の本質を突く、深い言葉です。
[YouTubeへ]
Q1.日本以外の国で暮らすとしたらどこ?
アメリカ合衆国。アメリカのジョージア大学で在外研究を行った経験から、さらに、長期間にわたり生活をしてみたいと思うから。
Q2.大学時代のアルバイトでユニークだったものは?
百貨店での包装
Q3.研究以外で楽しいことは?
ドライブ、温泉めぐり、動物園・水族館めぐり
Q4.会ってみたい有名人は?
博多華丸・大吉