フィンランドの教育関係者にインタビュー
大学院生だった頃、たまたま読んだ論文がきっかけで、フィンランドの教育に関する研究を始めました。以降、20余年に渡って、たくさんのフィンランドの教育関係者の方にお会いし、インタビューを行ってきました。
それらにおいて共通していたのは、「平等」に価値を置く教育観。この平等に対する絶対的な信頼はどのようにして生まれたのだろうか…そう考えたことが、現在取り組んでいる研究を着想したきっかけです。
フィンランドの謎に迫るのは今しかない
インタビューの際に特に印象的な言葉を残してくださった方々は、フィンランドの教育が平等を志向して発展するプロセスを体感的に知っている世代でした。その方たちが次々に退職の時期を迎えられたことで、「フィンランドの謎」に迫るのは今しかないと考え、現在のプロジェクトに着手しました。
平等は一朝一夕にならず
プロジェクトでは、教育政策の分析と教育関係者へのインタビューを行っていますが、特に面白いと感じているのは、インタビューを通じて伺う、教育関係者自身の教育経験にまつわるお話です。
一学習者としての学校や大学などでの思い出、教育関係の職に就いてから携わった仕事など、公私に渡る教育的経験に基づいて紡ぎ出されるそれぞれの物語は、平等は一朝一夕にしてならず、ということを実感させられるものです。
まだまだ研究は途上で、新型コロナウイルスの感染拡大により、今まさに実施上の困難に直面しているところですが、何とかやり遂げたいと思っています。