【子ども学(子ども環境学)】
子どもの運動
子どもが運動をする効果を、2万人のビッグデータで解き明かそう
石井好二郎先生
同志社大学
スポーツ健康科学部 スポーツ健康科学科(スポーツ健康科学研究科 スポーツ健康科学専攻)
風雲児たち(漫画)
みなもと太郎(リイド社SPコミックス)
1979年から今も続く歴史漫画です。関ヶ原の戦いから幕末にいたるまでの、何名もの風雲児たちのストーリーが描かれています。勉強での歴史は結果しか見ていませんが、実際には、人間が生きて行動した結果が歴史です。皆さん自身の歴史も、これからの行動で変わります。風雲児たちの生き様を、これからの行動の参考にしてください。
子どもが運動をする効果を、2万人のビッグデータで解き明かそう
それはほんまか!子どもの研究
私は運動やスポーツの研究をしています。中高年を対象とする研究では、医学系の研究者と一緒のことが多く、どのような運動やスポーツが中高年の方に勧められるのか、などをディスカッションし明らかにしてきました。
一方、私は子どもも対象にしていますが、子どもに関する運動やスポーツの研究をしている研究者(こちらは体育やスポーツ科学系の研究者が多いです)とディスカッションすると、「それはホンマかな〜(関西人なので)」と思うことが多くありました。その理由は、中高年の場合、運動をする・しないによって病気になる、要介護状態になる、時には死んでしまうなどの結果があります。
しかし、子どもの場合は、そのような結果が示しにくいのです。したがって、「体力が向上した」などの短期的な効果で評価したり、「子どもはこうあるべき!」のように最初から結論が決まっているような研究が多いな、と私は感じていました。
全国の子どもたちの身体活動や睡眠のデータを収集
実際には、中高年の研究と同じように、はっきりした結果が出るまで長期間追跡すれば良いのですが、子どもが対象だと年月がかかり過ぎます。そこで私は全国各地の先生のご協力のもと、大規模な調査を実施しました。
その結果、2万名を超える思春期の子どもたちの身体活動・睡眠・体格・生活習慣などのデータが集まり、ビッグデータから、これまで見えなかった子どもたちへの運動の効果を、明らかにできるのではないかと期待しています。
悲しみの歌
遠藤周作(新潮文庫)
私が最も好きな作家です。自らのエゴイズムや優越感に気づかず、他者への思いやりや優しさを忘れたまま、自分の正義を振りかざす人を「善魔」と呼んでいます。新型ウイルス感染拡大時の自粛警察などは、善魔です。自分以外の人間の悲しみや辛さに気づかず、自分にもまた弱さや過ちがあることにも気づかない。この作品は、それらのことを教えてくれます。
わたしが・棄てた・女
遠藤周作(講談社文庫)
ハンセン病が誤診と判断されても療養所に残り、修道女を手伝うことを選ぶ森田ミツ。ミツを捨て、社長の姪と結婚する吉岡。皆さんはミツのように生きたいと願いますか。自分の中にも吉岡のようなずるさはありませんか。ハンセン病患者が語った、「苦しいのは誰からも愛されぬ事に耐えること」は、私のいじめや差別に対する考えを決めさせた一言として残っています。