【経営学】
仕事のノウハウ
仕事の知識やノウハウ=「実践知」を共有し、効果的に仕事を学ぶ
松本雄一先生
関西学院大学
商学部(商学研究科 商学専攻)
モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか
ダニエル・ピンク、訳:大前研一(講談社+α文庫)
この本は「やる気」についての本ですが、仕事をする上で「やる気」の考え方が変わってきているという内容です。生きる上で対価としてのお金はとても重要ですが、お金「だけ」のために働くのは古い考え方であると著者は述べています。
「思うとおりに自由に働く」、「成長するために働く」、「人生の目的を叶えるために働く」、この3点は特に、現代の若者を動かす上で重要です。中高生のうちにこの考えに触れることは、その後の人生に大きな影響を与えることでしょう。
仕事の知識やノウハウ=「実践知」を共有し、効果的に仕事を学ぶ
会社の仕事はどうやって勉強するのか
中高生の皆さん、毎日勉強おつかれさまです。皆さん、勉強ってどうやって進めていますか。学校の勉強には教科書や参考書がありますが、いざ社会に出て仕事をするとなると、そのようなものはありません。学校では先生が毎日教えてくれますが、会社にはそんな人はいません。
じゃあ働いている人たちは、どうすれば仕事ができるようになるのでしょうか。僕の研究はそんな、誰もが気になる問題を扱っています。
仕事をうまく進めるためには「実践知」がある
その鍵は会社の中で他の人が知っている、仕事をうまく進める知識やノウハウ=「実践知」を学ぶことです。実践知は会社の人々が日々の経験の中で学び、持っているものです。
皆さん学校でがんばっている中で、「こうするともっと効率よく勉強を進めることができる」という知識やノウハウ、教えたり教えてもらったりしているんじゃないでしょうか。そういうアドバイスがあると、とても助かりますよね。仕事もそれと同じです。
実践知を共有する「仲良し」を作ろう
そしてそれをみんなで共有したり教え合ったりするには、そのためのグループ=「実践共同体」を作って学ぶと、とても効果的なのです。学校にはクラスや仲のいい友達がいて、それが実践共同体になっています。仕事でもそんな集まりがあれば、仕事のやり方を学んだり、悩みを解決したりすることがうまくできます。
世界を変えるには仕事(その前に勉強も)ができるようにならないといけません。僕の研究はそんな世界を変える基盤を作るものなのです。
◆学んだことはどう生きる?
経営学のゼミですので、進路は企業全般で、多様な業界に就職し活躍しています。「企業の中で学び、成長していける人材」を育成しており、卒業生は「仕事がうまくなるように」という観点で、自分なりに工夫し、成長し続けています。
関西学院大学商学部の特色は「ゼミにおける中身の濃い教育・研究活動」です。6つに分かれた専門コースに、それぞれの専門とキャラクターを持った教員がおり、そのもとで活発な教育・研究が行われています。学生はゼミにおいて、自分たち自身で協力して研究を進めていきます。その研究は社会においてもインパクトのあるものを生み出すとともに、その経験は単なる講義を超えた、かけがえのない仲間と思い出をもたらすものになっています。
GIVE&TAKE 「与える人」こそ成功する時代
アダム・グラント、訳:楠木建(三笠書房)
仕事において「人のためにすること」が、仕事をうまく進めていく上で重要であるという点に、学ぶことが多いと思います。
最強のポジティブチーム
ジョン・ゴードン、訳:稲垣みどり(日経BP)
仕事において「ポジティブな考え方を持つチーム」が、仕事をうまく進めていく上で重要であるという考え方は、勉強や研究においても役に立つと思います。