Q1.18歳に戻って大学に入るなら何を学ぶ?
変わらず経営工学を学ぶように思います(本当は音楽の道に進みたかったのですが、食べていけなさそうなので、音楽は趣味の範囲でやっています)。
【商学】
消費者行動
なぜその商品を選んだか、ウェブアクセスログやつぶやきから追跡
生田目崇先生
中央大学
理工学部 経営システム工学科(2021年度よりビジネスデータサイエンス
なぜ女はメルカリに、男はヤフオクに惹かれるのか? アマゾンに勝つ! 日本企業のすごいマーケティング
田中道昭、牛窪恵(光文社新書)
消費者行動の「なぜ」をわかりやすく解説している新書です。自分自身や周りの人の行動と照らし合わせてみると面白いと思います。
なぜその商品を選んだか、ウェブアクセスログやつぶやきから追跡
商品を知ってから買うまで何を考えるか
皆さんが何か商品を買う時は、どんなことを考えていますか? いつ、どこで、どんな商品を選んでるでしょうか? 商品を知ってから実際に買うまでにどのようなことを考えましたか?
たくさんの「?」を最初に示しましたが、多くの商品が市場にあふれる中で、なぜその商品が選ばれたのかを考えることは、学術界、産業界の両方にとってたいへん重要なテーマです。
行動データには買った理由を考えるヒントが
皆さんがどのように行動しているのかを考える学問が「消費者行動」であり、企業が皆さんに効果的に製品やサービスに購入・利用してもらうための種々の活動が「マーケティング」です。
ICTの発展とともに様々な消費者の行動データが取得できるようになっており、私の研究では、購買履歴や、ウェブアクセスログと言われる皆さんのウェブ上での行動記録やつぶやきのデータなどを用いています。
こうしたデータには「何を買ったのか?」だけではなく「なぜその商品を買ったのか?」の過程を考えるヒントがたくさん含まれます。
一人一人の好みに合ったマーケティングが可能に
皆さんの好みや行動はみな一様ではなく、購入商品をすぐに決められる人もいれば慎重になる人もいて多種多様です。こうした多様な行動を解明することで、一人一人の好みや行動に合わせたマーケティング施策が可能になります。
統計学や機械学習、人工知能など、データを扱う学術分野が進展を遂げており、理系脳で様々なデータに対して、これらの手法を駆使して上記の課題を克服しよう!というのが私の研究です。
食品ロスの問題は企業が目先の売り上げを追ってしまうという面もあると思いますが、消費者のニーズを的確にとらえきれていない、すなわち、需給バランスがうまくいかないこと、すなわち適切な需要予測ができないという部分もあろうかと思います。無用な供給をやめ、必要な量だけを供給できれば食品ロスを抑えられ、その分を食べ物に困っている人たちに届けられる機会となると思っています。
◆先生が心がけていることは?
食品ロスはないようにしています。エネルギーの無駄遣いもしないようにしています。
◆主な業種
(1)ソフトウエア、情報システム開発
(2)金融・保険・証券・ファイナンシャル
(3)コンサルタント・学術系研究所
◆主な職種
(1)コンサルタント(ビジネス系等)
(2)商品企画、マーケティング(調査)
(3)経理・会計・財務、金融・ファイナンス、その他会計・税務・金融系専門職
◆学んだことはどう生きる?
数理的能力、データサイエンス力、問題解決能力を兼ね備えた人材の輩出を行ってきました。特に問題を抽出し、その問題解決に必要な情報の収集、さらに分析と考察・意思決定までをサポートできる力を身につけた人材が多く世に出ています。多くの情報システム企業でのシステム開発やボトルネックの解消、またデータ分析コンサルタントとして、最前線で活躍しています。
経営システム工学科では、企業や組織における問題解決、効率的な経営や、将来のあるべき姿の策定を定量的な分析をもとに行う諸手法を体系的に提供してきました。来年度から本学科は「ビジネスデータサイエンス」に名称変更し、これまで以上に統計学やデータ分析スキルなど、今の社会で必須と言われている知識を包括的に学習することができるカリキュラム体系を提供します。実験系の学科のような巨大な実験装置などはなく、一見すると地味に見えるかもしれませんが、実はデータサイエンスは社会全体を巧みに動かす大事なエンジンです。
マネー・ボール
マイケル・ルイス、訳:中山宥(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
大リーグで導入されたセイバーメトリクスという「勝つためのチームに必要な要素を挙げ、それを満たす選手を見つける」新たな野球チームの経営についてのノンフィクションノベルズですが、本書が原作の映画を見たことがある人もいると思います。
ブラッド・ピットが主演した映画では、資金の少ない弱者(オークランド・アスレチックス)が強者(ニューヨーク・ヤンキース)に挑むというところに焦点が当てられていますが、むしろ今のチームにはどんな能力を持った選手が必要かを「定量的に評価」する仕組みを作り上げたところに面白さがあります。
映画から小説、小説からセイバーメトリクスの中身にと興味を進めていただけるといいと思います。これ自身は機械学習ではないかと思いますが、定量的に対象を分析することで、従来とは異なる評価ができるところは面白いと思います。
マンガでやさしくわかるマーケティング
安田貴志(日本能率協会マネジメントセンター)
とりあえず「マーケティング」というカタカナ言葉がどんなものなのか、また我々の生活とどのように関わっているのかを知るにはいいと思います。
Q1.18歳に戻って大学に入るなら何を学ぶ?
変わらず経営工学を学ぶように思います(本当は音楽の道に進みたかったのですが、食べていけなさそうなので、音楽は趣味の範囲でやっています)。
Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ?
ニュージーランドでしょうか。英語圏であり、電力を原子力に頼っていないので。
Q3.感動した映画は?印象に残っている映画は?
小学校の時に『さよなら銀河鉄道999』を見て、鉄郎の男っぷりに感動しましたが、今見てみると、「別に鉄郎が行かなくても結果は一緒だったかな」という冷たい目で見てしまいます。
Q4.大学時代の部活・サークルは?
学外で吹奏楽、演劇をやってました。
Q5.大学時代のアルバイトでユニークだったものは?
録音機材をかついで、さまざまなホールで出張録音をしました。なかなかできない仕事だと思います。