【地域研究】

日韓関係

日韓関係の悪化と改善、報道やSNSに政府も影響される

金敬黙先生

 

早稲田大学

文化構想学部 文化構想学科 社会構築論系

 

 出会いの一冊

スラムドッグ$ミリオネア(映画)

ダニー・ボイル(監督)

世界の貧困や不条理問題を知ることができる、英国人監督の映画。高校生と同世代の主人公の目線から、インドを舞台にした宗教対立、暴力、格差、差別などについて共感できる作品です。

 

 


 こんな研究で世界を変えよう!

日韓関係の悪化と改善、報道やSNSに政府も影響される

関係は悪化しているのか

現在私が取り組んでいる研究テーマの一つは「日韓関係の改善と悪化をめぐる日韓市民ネットワークの取り組みに関する研究」というものです。最近、日本と韓国、日本と中国など周辺諸国との関係が悪化しているという報道に接することが多いと思います。

 

けれども、若いみなさんはK-popを始めアジアの文化に親しみを感じたり、アジアの同世代の友人と仲良くしているし、もっと仲良くしたいと思っています。皆さんの親、または祖父母世代の価値観とはかなり違っていますね。

 

かつては対日・対韓感情は、政府が左右

 

私は、かつての日本とアジア、特に日本と韓国の関係が、良かったり、悪かったりする理由と、それを取り巻く条件についての研究を行っています。過去の日韓関係は、政治家や政府レベルの関係によって、それぞれの国の人々の感情が左右されてきました。

 

しかし、最近は、それぞれの国の人々の意見や行動がメディア報道やSNSなどデジタル媒体を通じてすぐに伝わり、結果として政府間関係も影響を受けるという軸に変わってきたことに着目しています。

 

関係を悪化させる人、改善に努める人

 

どのような人々が日韓関係を悪化させる言動をしているのか、またどのような人々が日韓関係の改善に努めようとしているのかを、国境を超えるネットワークの交流や協力の事例から分析し、両国さらに東アジアの和解と共生の可能性を探ろうとしています。

 

過去は変えられなくても未来は変えられます。そして、皆さんの価値観と行動が未来の歴史や関係の変化に影響を与えるということを実証するための研究に取り組んでいます。

 

ゼミ生との韓国フィールドワーク(慶州訪問、2018年)
ゼミ生との韓国フィールドワーク(慶州訪問、2018年)
ゼミ生とのベトナムフィールドワーク(ホーチミン中央駅前、2019年)
ゼミ生とのベトナムフィールドワーク(ホーチミン中央駅前、2019年)
 SDGsに貢献! 〜2030年の地球のために

16番の平和と公正をすべての人に、というテーマが平和研究者である私に直結します。しかし、1. 「貧困をなくす」、2. 「飢餓をゼロに」、を始め、すべてのSDGsのテーマが平和研究に関連しています。

 


 

◆先生が心がけていることは?

 

無理のない実践、矛盾のない言動。

 

 先生の専門テーマ<科研費のテーマ>を覗いてみると

「日韓関係の改善と悪化をめぐる日韓市民ネットワークの取り組みに関する研究」

詳しくはこちら

 

 注目の研究者や研究の大学へ行こう!

堀芳枝

早稲田大学 社会科学部 社会科学学科/社会科学研究科 地球社会論専攻

【平和研究】フィリピンをフィールドにしている、行動する平和学者です。

堀先生のページ

 


 どこで学べる?

「地域研究」学べる大学・研究者はこちら(※みらいぶっくへ)

 

その領域カテゴリーはこちら↓

20.文化・文学・歴史・哲学」の「81.地域研究、文化人類学・民俗学」

 


 先生の講義では

グローバルな課題やアジアの問題、アジアとの関係を平和研究や国際文化交流の視点から進めています。旅が好きであったり、地球市民としての志が求められます。金敬黙編『越境する平和学-アジアにおける共生と和解』(法律文化社、2019)が、私が担当する科目群を網羅する教材です。

  

 もっと先生の研究・研究室を見てみよう
学術会議での発表(2018年、ニュージーランド)
学術会議での発表(2018年、ニュージーランド)
ゼミ室でのゼミ風景(2017年、早稲田大学)
ゼミ室でのゼミ風景(2017年、早稲田大学)
 先輩にはこんな人がいる ~就職

◆主な業種

 

(1)総合商社、メーカーなど大手企業

(2)放送局などメディア関連

(3)メガバンクなど金融関連

 

◆学んだことはどう生きる?

 

私のゼミや卒業研究出身者は、様々な方面で活躍しています。テレビ局などメディア関係、そして研究者を目指して大学院に進んだりしています。専門的な技能は社会人になってから身につけることになりますが、多くのゼミ生は、移民・難民など人の移住、グローバル都市の課題、アイデンティティと国籍、国際交流・協力、平和教育と和解などについての研究を進めました。顔の見える、手触りのある交流から問題意識が生まれてくるはずです。

 

 先生の学部・学科は?

文化構想学部は、様々な社会や文化現象を、多様な学問の切り口から学ぶアプローチを取り入れています。特に、私が所属する社会構築論系は、グローバル・国家・都市・地域など様々な視点から、近現代の共通課題について学べるところです。

 

フィールドワークなどを重視していますので、広い世界を狭く感じたい学生には良い場所です。積極的な学生には、やりたいことがなんでもできる、やりたいことが見つかる空間です。

 

私が関わる、実践的な平和研究・活動には、冷徹な思考力と熱い情熱、そして行動派のフットワークが必要ですが、この学部はそのような感性を身につける第一段階になります。

 

 中高生におすすめ ~世界は広いし学びは深い

国連で学んだ修羅場のリーダーシップ

忍足謙朗(文藝春秋)

国際協力や平和活動に長年関わってきた著者の経験から、グローバル人材として働くための道しるべとなる本。



NGOの源流をたずねて 難民救援から政策提言まで

金敬黙(めこん)

NGO活動の草分け的な人々の経験を通じて、地球市民としての姿勢や心得を学べる一冊。


 先生に一問一答

Q1.18歳に戻って大学に入るなら何を学ぶ?

文化人類学・考古学

 

Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? 

アジア人が多く暮らす(アジアタウンがある)欧米の街。グローバル・アジアを観察したいし、その一員になりたい。

 

Q3.感動した映画は?印象に残っている映画は?

平和と戦争問題をテーマにした、『ノー・マンズ・ランド』。

 

Q4.研究以外で楽しいことは?

旅(新しい空間に出かけ、新しい暮らしの模様を知る。非日常を楽しむ)

 

Q5.会ってみたい有名人は?

ドナルド・トランプ大統領。どんな教育を受ければああなれるのかを知りたい。