Q1.熱中したゲームは?
「信長の野望」
最先端研究を訪ねて
【電子デバイス・電子機器】
センサ開発
誰もできなかった、脳神経を出入りするイオンの動きの「見える化」に成功!
澤田和明先生
豊橋技術科学大学
工学部 電気・電子情報工学課程 集積電子システムコース(工学研究科 電気・電子情報工学専攻)
◆着想のきっかけは何ですか
人間がものを認識し、考え、記憶するのは、脳神経細胞を流れる神経伝達物質の働きのおかげです。神経伝達物質には、カリウムイオンやナトリウムイオンなどがあります。これらが脳神経細胞のネットワーク間を出入りし、信号を出すことで、脳は働きます。
ところがこれまで、実際にその動きを直接見ることは誰もできませんでした。私は、イオンの動きを見ることができれば、様々な神経伝達の仕組みを解明できるだけではなく、新たな薬の開発や再生医療にも役立てることができると考えたのです。
◆どんな成果が上がりましたか
私たちはスマホに内蔵されているデジタルカメラの技術を利用して、イオンの動きを動画で表示できるセンサの開発に成功しました。電子装置を扱うこの学問分野ならではの技術を応用した、ユニークな成果と言えます。
具体的には、人間の記憶をコントロールしている「海馬」という部分の、カリウムイオンの流れの状態を見ることができました。海馬には、低次機能から高次機能まで様々な機能が備わっています。海馬のカリウムイオンのイオンチャネルが閉じたり開いたりする様子では、部位の機能に応じて異なる動きをしていることを発見しました。
◆その研究が進むとどんなことが実現しますか
脳神経だけでなく、人間の体にはイオンの動きが関与する機能がたくさんあります。その動きを直接見ることで、生体の仕組みを解明したり、薬の効果を即座に判断したりすることができるようになるでしょう。
新しい産業や科学の発展のためには、新しい計測技術の誕生がきっかけとなりことがあります。このセンサ技術は、新しい産業革新の基盤となると思います。
大学時代、半導体センサ作製のためクリーンルームで多くの時間を費やしていました。半導体のある工程が何度やってもうまくいかなかった時に、多くの友人や先輩を巻き込んでその現場で一緒に考えることで、よいアイディアが出てきました。一人で気づくことは少ないと思います。
様々なセンサの研究に取り組んでいます。特に、高精細イオンイメージセンサの開発や、特殊な光を検出するためのセンサ、ならびにガスの動きを可視化するためのセンサです。
◆主な業種
・半導体・電子部品・デバイス
◆主な職種
・基礎・応用研究・先行開発
・設計・開発
◆学んだことはどう生きる?
本グループでは学生さんが、実際にセンサや半導体集積回路を作っています。このもの作りの経験を生かして、イメージセンサの作製や半導体製造装置の開発を行っています。
私たちのグループでは、本学のLSI工場で学生さん自身が集積回路やセンサを製作して評価しています。百聞は一見にしかず、です。もの作りは一度作らないとわからないことだらけです。まずは、やってみることが大切です。
(1)色はどのような波長の光で構成されているか調べる装置を携帯のカメラで作る
アイディア:波長によって屈折が異なることを利用する、携帯電話のカメラは光センサが並んでいる、LEDのライトと太陽の光の違いを理解する
(2)手で触らずに洗濯物が乾いたか調べる方法を考える
アイディア:蒸散による気化熱、非接触温度計(最近よく見かけるようになりました)、黒体輻射
Q1.熱中したゲームは?
「信長の野望」
Q2.研究以外で、今一番楽しいこと、興味を持ってしていることは?
スキー
Q3.会ってみたい有名人は?
徳川家康